昔の自動車販売会社の整備士って、かなり職人気質だと思う(今もかな?)。

就職が決まり、自動車整備専門学校を卒業して働き出して

まず初めに工場長に言われたことは

「新人は最低でも1年間は先輩より1時間早く来て修理工場の準備をすること」

(ちなみに、勤務時間(定時)は朝9時~夕方5時半だった)


はじめは、9時出勤なのになんで、1時間前に出勤しないと、いけないのか

さっぱりわからなかった。当然、手当とかも付かないし。

先輩たちは、「9時出勤だから誰か早く来た人から準備すればいい」と言ってくれた。

違う支店の同期の子に聞いてみても、1時間前に出勤することなどないみたいだし・・・


でも、工場長が言ったことだし、嫌だったけどとりあえず1時間前に出勤してみることにした。


なんで自分だけこんなことを、やらないといけなかと初めの半年くらいは、出勤することに不満だらけだった。

しかしある時、なぜ工場長が新人の私に1時間前に、出勤するように

言ったのかわかった気がした。


ある日、何気なくいつも通りに修理工場の開店準備をしている時に

誰もいない工場の中で前日に、先輩が限がいいところまで、作業をして

そのままの置いてある車を眺めてる自分が鏡に映っているのを見て、工場長が

何を言いたかったのか気付いた。

先輩たちが、どんな段取りでどんな仕事をしているのかを、見ている自分がそこにいた。


それまで、早く仕事が出来るようになるために、直接先輩に教わることに一生懸命

だったけどなかなか直ぐには覚えられなくてうまくいかず、よく先輩に怒られていた。


「仕事は自分で見て、自分で考えて覚えろ!」

そのことに気付いたその日を境に、意識して先輩の動きを見るようになり

仕事を覚えるスピードが速くなった。

嫌でしかたがない朝早くの出勤が、凄く有意義なことと思えるようになった。

おかげで、同期の整備士との技術の差が開き、数年後、グループ会社の整備士技術

コンテストに出場し優勝することができた。


今では、社会人になって初めての上司が、その人で良かったと凄く思います。